PSLX 業務オブジェクトモデル

仕事の関係で PSLX (Planning and Scheduling Language on XML specification?) について調査しています。
http://www.pslx.org/jp/
製造業の業務のリファレンスモデルを作成しようという試みと受取りました。業務アクティビティモデル、業務オブジェクトモデルなどが定義されており、IEC62264 として国際標準化も進められているようです。
仕様書 (勧告版) を入手するには会員になるか購入する必要がありますが、業務オブジェクトモデルについては、以下のページから第2版の委員会投票用資料をダウンロードすることができます。
http://www.pslx.org/jp/forum/technical.html

製造業の業務が「資源」「プロセス」「オーダ」などの概念で整理されており、製造業の仕組みを理解する上でとても参考になります。
ただ、疑問に思う箇所が何点かあったので、ここにメモしておきます。

3.1. オブジェクトの基本構造

生産を実行する装置や作業者を「生産資源」、生産活動によって生成または消費されるものを「生産品目」と定義しています。アナリシスパターンでいうと、前者は操作レベル、後者は知識レベルのオブジェクトと理解したのですが、両者を汎化して「資源」としているのに違和感をもちました。

4.2. プロセスの階層構造

勧告版では生産要素レベル (装置や作業員) のプロセス「単位作業」も定義されていましたが、最新版ではなくなっています。生産要素レベルの作業にも作業仕様が必要だと思うのですが。

4.3. オーダの階層構造

オーダについても、最新版では生産要素レベルのオブジェクトがなくなっています。詳細は 9.1 で記述します。

8.1. 生産品目の分類

ファミリ品目と生産品目の汎化関係は正しいでしょうか? 汎化に多重度がついているのも UML の仕様的に問題があるのではと思います。

ファミリ品目は、実在しない生産品目であり、複数の実在する生産品目の中のどれかひとつを代替するものです。

とのことなので、関連の方が正しくないでしょうか?
勧告版では集約となっているようですが。

9.1. 作業指示

勧告版では、

作業指示 (オーダ) --- 作業実績

という構造になっていましたが、最新版では、

作業場オーダ --- 予定作業 --- 実績作業

と変更になっています。変更の理由が書かれていないのですが、上位階層からのオーダに対して、作業を割り当て、実行するという流れでしょうか。
そう考えるとして、企業レベル〜作業区レベルで、予定作業、実績作業にあたるエンティティは必要ないか? また、生産要素レベルの「実行指示」「実行結果」がなくなってしまったのがなぜか気になりました。