時生

時生 (講談社文庫)

時生 (講談社文庫)

生れてきて良かった。素直にそんな気持ちになれるいい話だった。

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、20年以上前に出会った少年との思い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った...。

千鶴の友人・竹美が拓実に言ったことば、

「配られたカードで精一杯勝負するしかないやろ」
「あんたに配られたカードは、そう悪い手やないと思うけどな」

おいらに配られたカードも、そう悪い手じゃなかったはず。ただ、中途半端に良いと、どうしても守りに入っちゃうんだよね。ツーペアやスリーカードからロイヤルストレートフラッシュを狙おうってのはかなり勇気がいる。
でも、そのくらい攻めの姿勢で行かないと、この時代は生き残れないのかなぁ...